Scalaプログラミング入門
- 作者: デイビッド・ポラック,羽生田栄一,大塚庸史
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2010/03/18
- メディア: 単行本
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最近出た本.僕が買ったScala本はコップ本に次いでこれで2冊目.コップ本は網羅的で記述も丁寧な良書だと思うけど,いかんせん取り扱っている内容が膨大なため,Scalaを効率的に使うにはどこから手をつければよいか途方にくれるところがあった.なんとなくやれテンプレートだboostだ言ってるC++と近い気がする.
Scalaプログラミング入門はコップ本と比べると取り扱っている内容は絞られている.Scalaの中でもおいしい部分(アクターによる並列プログラミングやパターンマッチなど)に限定して,かつ具体的な使用方法中心に書かれているので,Scalaという言語の中での「歩き方」についての理解が深まると思う.僕の場合,型パラメータやアクターの利用方法は本書を読んで初めて理解できた気になった.
一方,この本が入門書として適しているかというと微妙な部分もある.確かにサンプルコードは豊富だけど,全般的に説明は省略気味なため置いてけぼりをくらうことが多い.僕はコップ本を読んだことがあるので省略されているところも補完しながら読むことができたけど,この本のみでScalaを習得しようとするとまだ難しいのではないかと.
少し話がそれるが,両Scala本ともにScalaのパーサコンビネータの説明に章を割いている.おそらくScalaの目玉機能の一つに位置づけられるんだろうけど,DSLってどういう場面で有用かがいまいちよく分からない.こういう場面でDSLを使うと便利だよ,っていう実践的な利用例を集めたDSLクックブック的なものがあるといいと思うんだけど,世の人は普通にDSLを使いこなしているんだろうか.もしDSLバリバリだって人がいたらどういうふうに使っているか教えてほしい.